愛犬の可愛い肉球をデザイン的に活かして、普段使いのできるアイテムを作って欲しいとのざっくりとした相談を受け、いつもの愛犬とのお散歩用バッグに付けられるオリジナルのチャームを製作することになりました。
愛犬の名前は「くぅちゃん」。くぅちゃんらしさを表すために、くぅちゃんの誕生石であるペリドットを、シンボリックに使ってみることにしました。
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製作工程をご紹介していきます。
まずは、飼い主さんに、くぅちゃんの肉球の採寸をしてもらい、写真と一緒にメールで確認します。
写真を紙焼きして、円形にカットした木材(材料:桜)に貼りつけ、肉球の形に彫り込んでいきながら、穴を空けていきます。
空いた肉球の形の部分に、くぅちゃんの誕生石のペリドットを敷きつめていきたいのですが…。
ペリドットの原石は高価なものですし、そのペリドットの原石を肉球形にカットしていくには時間とコストが掛かってしまうので、リーズナブルな方法を色々と試してみることにします。
ペリドット色に着色されたクリスタルの球でトライをしてみますが、特徴であるオリーブグリーンの色を上手く引き出せません。砕いてレジンで固めてみても、イメージしている色を再現できません。着色料を混ぜたりもしてみましたが、いい塩梅の色合いになりません。
そこで、ペリドット自体のさざれ石を使用し、それを砕いて、レジンで固める方法を採用することになりました。
レジン液を注入し、UVライトで硬化させていきます。さざれ石に凸凹があるため、表面を平らにし、透明感を出す為にトップコートを塗付します。
レジン液は、大きくて厚みのあるものを製作するには不向きです。中に気泡が入ってしまったり、硬化しにくかったり。何度か試してみて、ようやく透明感を失わずに完全硬化させることができました。
ウッドバーニング用の電熱ペンを使って、木材に、くうちゃんの名前を焼き入れしていきます。
優しい性格の くぅちゃんをイメージしつつ、「くぅ」の「ぅ」は小さいの…と飼い主さんから念を押されいていたので、それを踏まえながら、字体を考え、慎重に焼き入れしていきました。
工程上、どうしても名入れが最後になってしまうため、失敗したら全てやり直し。最初に名入れができれば、何枚か作っておけばいいのですが、工程的にそれができないので、一発勝負となります。
最後に蜜蝋で磨きをかけて完成です(製作日数:約2週間)。
プライベートサロンの看板犬でもある くぅちゃん。チャームが届くと、すぐに一緒に散歩に行ってくれたようです。とてもお似合い?で嬉しい限りです。
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誕生石のペリドットが少し残っていたので、「くぅちゃんチャームミニ」を3個制作しました。
製作工程は、前回と同じですが、肉球は型紙があったのに対して、「くぅ」の字体は全くのオリジナル。拘りを持ちながら、彫っていきました。
3個の内の一つはペリドットを入れないバージョンです。様々な使用状況に合わせられるように、ジョイントは3種類を用意しました。
くぅちゃんは、石なしバージョンが気に入ってくれたようです。
(2023.6.27 更新)
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