愛着のある品を「捨てない」で「活かして繋ぐ」という理念のもと

私は、モノづくり一筋55年。大手電機メーカーに勤務した後、独立して、電機・鉄工・木工などの製造を手掛ける仕事を続けてきました。定年を迎え、第二の人生においては、それらの経験を活かし、不要と認識され、捨てられていくモノたちのための活動をしていこうと…、工房エイトジーを立ち上げました。

 

工具_万力

 

世の中は、大量生産・大量消費・大量廃棄の時代を経て、近頃は、SDGsを声高に謳い、「持続可能」なライフスタイルへとシフトチェンジしていく流れに向いています。

私の幼少時代は、壊れた物は直して使うのが当たり前でした。鍋・釜・やかんなど、穴が開いたり、取っ手が取れたりしたら、町の金物屋さんか鋳掛屋さんへ持って行ったものです。

しかし、高度成長期の頃から、壊れたら新しいものに買い替える、最新作が市場に溢れ、商品広告が四六時中流れて、手元の価値あるものを手放し、捨ててしまう。結果、大量廃棄となっていく。そんな風潮に、ずっと違和感を持ちながらも、モノづくり一筋に生きてきました。

モノづくりの世界に入った時、師匠から、次のような心構えを最初に説かれました。
「作り手は、使い手に起こるあらゆる状況を想定。予測かつ想像力を駆使して製作に励み、使い手側は作り手側のその配慮に感謝し、作られたものに愛情を注いで大事に使い続ける。作り手・使い手、双方の思いを理解することが大事である。」

不要と認識されるモノ、原型をとどめる事が困難なモノ、ただ捨てられるのを待つモノたちにも、その人と共に過ごしてきた想いや記憶が宿っています。今流行りの「断捨離」を否定はしませんが、共感はできません。愛着のある品を「捨てない」で「活かして繋ぐ」という理念を掲げながら、工房として活動をしていければと考えております。

愛着のある品を末長く使っていただくために、工房エイトジーでは、「リデザインする」「リペアする」というメニューを用意しております。無料のアドバイスもさせていただいておりますので、まずは、お気軽にご相談ください。

 

工房エイトジー_八角玄翁

 

工房エイトジーの考え方を象徴しているものの一つとして、工房の傍らにある私の愛用の道具をご紹介します。祖父、そして父から譲り受けた八角玄翁(はっかくげんのう)です。柄(え)は、父が一度交換をしていますが、三代に渡って、今尚、私の現場で活躍してくれています。

両小口(こぐち)に同じ大きさの面をもつ両口玄翁で、その小口は、片方は平らで、もう一方は小口の中央が少し膨らんでいます。釘を打ち込む際には、まず平らな面で打ち込み、最後に玄翁の面を変えて、中央が膨らんだ面でたたき締めるためのもので、木の表面に傷をつけないように工夫がなされています。

長年、祖父や父の手元で愛用され、色々なものを作ったり、直したりしてきた玄翁。祖父や父が生きた時代時代の出来事に想いを馳せます。

 


工房エイトジーの掲げる「リデザイン」の基本は、
リペア(修理・修繕・修復)が難しい対象品の素材を部分的に生かし、
新たなアイテムに作り替えるという考え方です。

愛着のある品が壊れたりしてしまった際などにおける
解決策の一つの選択肢として、ご提案しています。

愛着のある品に関して、何か困っていることなどがありましたら、
お気軽にご相談ください。

あなたの想いや感謝の気持ちに寄り添いながら
リデザインしていきます。

お問い合わせフォーム
☎︎ 03-5761-7468

受付時間 月〜金曜日)10:00 – 17:00  土・日曜日・祝日)お休み

remember(心に留める) , remind(思い出す) , redesign(新たなデザイン) .

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