こんにちは、西じぃです。リデザイン・ファイル〜白いお碗編の第二回です。今回は、前回のスケッチで表したリデザイン案のイメージを元に、製作の段取りを組み、必要な材料を取り揃え、事前準備を整えていきます。
その製作の工程や試行錯誤の内容、技術的なポイント、現場の雰囲気などをご紹介していきます。リデザインは、具体化されていきながら、イメージは更に広がり、練り込まれていくことでしょう。その製作現場での試行錯誤が、リデザインのエッセンスとなります。
[リデザイン・イメージ]
可愛らしい猫ちゃんたちのショーケースということで、今回のリデザインのアイテム名は「ねこ座」に決定です。
製作の概ねの工程項目としては、下記の様に進めていこうと思います。
(1)白いお碗本体の割れた部分を水平にカット
(2)お碗の縁の研磨加工(着彩する前の加工)
(3)背面となる部分(お碗の底面)に40㎜φの穴開け加工
(4)棚板・台座の材料選定
(5)棚板・台座の製作
(6)組立・お碗の縁の着彩
(7)明かり窓 和紙加工
それでは、各工程項目を順番に進めていきます。今回は、(1)〜(4)の工程項目となります。
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工程(1)白いお碗本体の割れた部分を水平にカット
割れてしまった白いお碗の割れ口を、研摩盤で、ゆっくりと丁寧に研いでいきます。研磨をする際、磁器が予想以上に硬く、研摩盤の砥石がすぐに摩耗してしまいました。思ったより、手強い作業となりました。
対象品は、ほぼほぼシンメトリーに綺麗に割れていましたが、この部分を台座に置いた時に、平行にガタツキなく隙間もなくなるように、確認をしながらの作業となります。
対象品を壊したり、傷つけたりしないように、気をつけながら…
研摩盤で、粗方の研ぎを行った後、水を使いながら、細部を砥石で、更に丁寧に研ぎ、最後に、ヤスリで仕上げていきます。
予想以上に時間は掛かりましたが、綺麗に仕上げることができました。
工程(2)お碗の縁の研磨加工(着彩する前の加工)
白いお碗の本体の縁の部分は、丸みを帯びていますが、最終的に、アクセントになるような着彩をしたいと思っているので、平らになるように、研摩盤で削っておきます。
工程(3)背面となる部分(お碗の底面)に40㎜φの穴開け加工
ショーケース内に、明かりが差し込む窓を設けたいので、背面となる部分(お碗の底面)に40㎜φの穴開けをします。
フライス盤のテーブルに白いお碗の本体を置き、水平を測ってからホットメールで固定します。できるだけスローな回転にして、水を掛けながら、ゆっくりと回していきます。
負荷を掛け過ぎると、本体が割れてしまう可能性があるので、慎重にゆっくりと時間を掛けました。6分程で貫通、穴開け成功です。
ここでも、対象品が壊れたり、傷ついたりしないように、ゆっくりと時間を掛けて…
ヤスリでバリを取り、研磨をしていき、綺麗に仕上げます。
工程(4)棚板・台座の材料選定
白いお碗が映えるように、棚と台座には、木材を使います。新木場にある木材の専門店「もくもく」さんで、台座用に3種の板(紫檀・かりん・ジェルトン)を購入します。棚板用には、2mm厚の薄板(かりん)を購入します。
質感と色合いの異なる3種類の木材を組み合わせて、安定感と立体感(ひな壇)のある作りにしていきたいと考えています。
いつもお世話になっている新木場にある木材の専門店 もくもく さんに行くと、色々な木材に出会うことができます。木材の街である新木場には、木材・合板博物館 さんや ひでしな商店 さんなど、魅力的な木材のスポットが沢山あり、「木」をテーマに散策していると、時間を忘れて、楽しいひと時を過ごせます。ものづくりの心をくすぐります。
今回の作業では、研磨盤やフライス盤などを使って、研いだり、穴を開けたりする準備段階の作業となりましたが、対象品を壊したり、傷つけたりしないように、ゆっくりと丁寧に作業を進めました。このような下処理の作業において、慌てたり、雑に行ったりすると、後々で後悔することになります。ものづくりは、慌てず丁寧に、それぞれの工程の作業と時間を楽しみましょう。
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今回は、ここまで。これで事前準備ができましたので、次回は、棚板・台座の製作をし、組み上げ、仕上げの最終段階となります。
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工房エイトジーの掲げる「リデザイン」の基本は、
リペア(修理・修繕・修復)が難しい対象品の素材を部分的に生かし、
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