やげん堀の町内会さんから、お祭りの際に使用する提灯の改良の依頼をいただきました。
本物の蝋燭(ろうそく)の提灯ですが、風が吹いては消え、雨が降っては消え、火事の危険性もあるため、LED化をしたいとのことです。電池交換不要な充電式(AC/DC電源)にできたら…というリクエストもいただきました。そうすることで、電池の交換や処分の手間も省けます。
数は、10灯。早速、リデザインの製作に取り掛かります。
*
お客様支給のソーラーバッテリー対応のガーデンライトを、リチウムイオン電池で充電できるように改良していきます。
そのままだと高さが合わないため、袴を履かせて高さを調整し、提灯の底部には、充電部の加工を施していきます。
配線作業を行い、チェックをして、充電器と接続します。
充電中は、パイロットランプが赤点灯、充電完了で青点灯となります。フル充電により、LEDのライトは約10時間点灯し続けます。
当初は、ここまでの依頼でしたが、火袋(ひぶくろ)の損傷が激しいので、合わせて、修理の依頼が入ります。活躍の証とはいえ、かなりの損傷具合です。
折れた骨組みをタコ糸で繋いでいきます。
提灯和紙で敗れた箇所を補修していきます。
最後に「やげん堀」の和文字を丁寧に書き足し、製作完了です。引き続き、9灯の提灯を、同じ要領にてリデザインしていきます(電気系統の組み立てと火袋の修理期間:約1週間)。
工程は単純ですが、やはり火袋の修理は大変でした。治具を最初は縦にしていましたが、横に倒して作業できるようにし、だいぶやり易くなりました。
古いスペック(蝋燭)を新しいスペック(電気系統)に改良し、更に長く、同じ土俵で同じ様に活躍をする。愛着のあるものを、とことん使い続けようとする心意気。今回の案件は、電気系統が主体のリデザインとなりましたが、工房エイトジーのリデザインを定義していく上でも興味深いものがあります。
充電式になり、電池の交換や処分がなくなることで、エコ的な側面も併せ持ちます。充電方法に関しては、ソーラーバッテリーの仕様にすることも考えられましたが、お客様のリクエストを受けてのリチウムイオン電池の仕様になりました。
*
やげん堀の町内会さんから、先日、久方振りに賑わいを見せた「三社祭」の映像が届きました。荘厳な雰囲気の中で、リデザインされた提灯たちも大活躍です。
「三社祭」は、新型コロナウイルスの影響で規模の縮小が続きましたが、今年は「渡御(神輿を担いで、地元の氏子らが大きな掛け声とともに、浅草の街を練り歩く。)」が4年ぶりに行われるなど、ほぼ従前通りの形式で催行されました。
コロナ禍で、ずーっと、みんな我慢を続けていましたが、今年は、本来の形でのお祭りが、日本各地で催されそうですね。お祭りは、日本人の心の拠り所とも言えます。本当に、嬉しいことです。
*
同じ時期に、電気系統改良のリデザインの案件(店頭用ディスプレイ)がありましたので、合わせてご紹介します。
可愛らしいペンギン型の店頭用ディスプレイですが、店頭でのオペレーションの手間(電池交換)を省きたいとの理由から、現状の乾電池式を、AC/DC電源に改良したいとのリクエストに対応しました。
(2023.6.13 更新)
工房エイトジーの掲げる「リデザイン」の基本は、
リペア(修理・修繕・修復)が難しい対象品の素材を部分的に生かし、
新たなアイテムに作り替えるという考え方です。
愛着のある品が壊れたりしてしまった際などにおける
解決策の一つの選択肢として、ご提案しています。
愛着のある品に関して、何か困っていることなどがありましたら、
お気軽にご相談ください。
あなたの想いや感謝の気持ちに寄り添いながら
リデザインしていきます。
お問い合わせフォーム
☎︎ 03-5761-7468
受付時間 月〜金曜日)10:00 – 17:00 土・日曜日・祝日)お休み
remember(心に留める) , remind(思い出す) , redesign(新たなデザイン) .