「謹賀新年」工房エイトジーも気持ちを新たに、清々しくスタートいたします。
昨年の末に納品をさせていただいたオリジナルのタイルトレーをご紹介します。友人からの製作依頼です。4年前に亡くなった愛犬のルカ「LUCA」(チョコレートラブラドール)が好きだった雪の季節。友人が、家の雪下ろしをするその側で、雪と戯れていたルカ。それを微笑んで見守っている…。そんな友人のルカへの想いを表せたらと、製作に取り掛かりました。
チョコレートカラーのトレーをベースに、黒檀の端材のウッドタイルを使用し、ルカが大好きだった雪をイメージして、トレーのタイトルを「LUCA WHITE」にしました。
製作工程)
ご依頼主が好きなアンティーク調のチョコレートカラーのトレーを、骨董屋さんで入手しました。トレーの底板には割れ目が入っていて、フラットではなかったので、板を一枚貼り、補強をします。クランプで固定をし、フラットにしていきます。
作成した図面に従い、その上に各種のタイルを貼っていきます。センターの白いタイルをメインに、5種類のタイルを散りばめていきます。各タイルの配置や目地の巾などを、逐一調整していきます。
雪のイメージの白くて模様の美しい作善堂さんの美濃焼「Mandala」(147×147×厚8㎜)をセンターに配置します。
四隅には、丸万さんの「Ocean blue」(22×22×厚6㎜)を配置し、外周り全体には、聖和セラミクスさんの「BLUMEN」(19×19×厚7㎜)を配置しました。
アクセントとなる長方形のタイル(白とブルー)は、丸万さんの「savor」(15×47.5×厚6㎜)で、正方形を主体とするデザインの中で、長方形の形と色合いを加えることにより、コントラストをつけていきます。「ウッドタイル」との相性やバランスを考えながら配置をしていきます。
「ウッドタイル」は、サイズ(52×52×厚5~7.5㎜)で、桜・くるみ・けやき・黒檀などの端材を使います。
「savor」や「ウッドタイル」には薄い板を張り付けて、厚さを調整してから、トレー本体へと接着をしていきます。
棚板や大谷石を使ったトレーの時と同じく、今回も各タイルの素材や厚みの違いの調整が大変な作業となりました。
もう一つ大変な作業となったのが、ウッドタイルの樹脂・油分が、白い目地に滲みだしてしまうことでした。色が付いてしまった目地を、タイルを傷つけないように、竹を加工して作ったノミを彫刻機にセットして、丁寧に削りながら、筆で修正を繰り返していきます。
ご依頼主の好きなアンティーク調のトレーで、設計上しっくりとくるものを探すのに手間が掛かりました。ウッドタイルの製作や目地の乾燥・各タイルの厚さ調整にも、かなりの時間を要してしまいましたが、何とか年内には、お届けすることができました。
ご依頼主からの感想が届いています。
「トレー、素敵すぎる!ルカカラーで、めちゃ好きな色の組み合わせです。小さいパーツも多いから、すごく手間を掛けて作ってもらい、感激です。ほんとにありがとう。」
ご依頼主は、愛犬ルカとの日々を思い出しながら、今年も大変な雪下ろしをしています。そして、部屋に戻り、このトレーに載せた温かいコーヒーを愉しんでいるようです。
工房エイトジーの掲げる「リデザイン」の基本は、
リペア(修理・修繕・修復)が難しい対象品の素材を部分的に生かし、
新たなアイテムに作り替えるという考え方です。
愛着のある品が壊れたりしてしまった際などにおける
解決策の一つの選択肢として、ご提案しています。
愛着のある品に関して、何か困っていることなどがありましたら、
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あなたの想いや感謝の気持ちに寄り添いながら
リデザインしていきます。
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remember(心に留める) , remind(思い出す) , redesign(新たなデザイン) .